ケンマパイル

工法の概要

工法の概要

ケンマⅢ工法は、鋼管に2枚の半円状の翼を取りつけ、回転貫入装置を備えたくい打ち機によって鋼管を回転させて地盤中に貫入し、これを引抜き方向のくいとして利用する工法である。本工法は、くいの押込み方向の地盤の許容支持力に関して、大臣認定(TACP-0705、0706)を取得している回転貫入ぐい工法であり、この証明内容はくいの引抜き方向の地盤の許容支持力に関するものである。くい径を114.3~406.4mm、先端形状をタイプ-1およびタイプ-2としていることなどが押込み方向の適用範囲と異なる事項である。
本工法は中~小規模建築物基礎を対象とした鋼管ぐい工法の開発を目的としたものであり、1つのくい径に対して、複数の翼部径を用意することで、設計荷重に応じた自由度の大きいくい設計を可能にしている。さらに、くい先端部をピース化することで、材料コストの低減を図っている。くい先端部の加工は、指定製造会社で適正な品質管理下で製造され、品質の高いくい材の供給が可能となっている。くい先端部を開端とすることで施工性の向上を図るとともに、確実な打ち止め管理のもと地盤の引抜き方向の支持力の確保を実現している。
ケンマⅢ工法は、ケンマⅡ工法で培った技術・実績をもとに、中間層における施工性の改善および硬質地盤への貫入性の向上を目指して補助掘削刃の追加を行ったものである。

施工方法

施工方法

本工法の施工方法は、次の5工程で行う。

① くいの固定

くい先端部をくい芯ずれ防止装置に固定し、くい芯位置にセットする。

② 回転貫入

くいの鉛直性とくい芯位置に注意しながらくいを回転させ、地中へ貫入させる。

③ 継手作業

必要に応じ継手により継ぎ足しを行い、順次回転貫入させる。

④ 貫入完了

設計深度付近において回転トルク値および回転貫入量を確認し、貫入を完了する。

⑤ くい頭処理

切断装置にて所定の位置でくい頭を切断する。

施工における確認事項

本工法における施工上の確認事項を以下 1)~3)に示す。なお、これらの確認事項以外の施工に関する事項(事前調査、施工計画、施工方法、安全対策)については、一輝株式会社が定めた「ケンマⅢ工法施工指針(2025年9月16日)」に従うものとする。

1)地盤調査

くい先端より下方に 5Dw(Dw:翼部径)以上の範囲(以下、くい先端下部地盤)における地盤情報を把握し、α が適用できる地盤であることを地盤調査により確認する。ただし、くい先端下部地盤における地盤情報が既往の調査等により明らかな場合は、この限りでない。

2)試験ぐいの打ち止め管理方法

試験ぐいは、現場において最初に施工するくいとし、原則として地盤調査位置近傍で 1本以上実施する。試験ぐいによって確認する事項を以下に示す。

① 回転貫入状況

設計深度付近まで 0.1~0.2m毎に回転トルクを計測し、このトルクと地盤調査結果を照合して N値に応じて回転トルクが変化していることを確認する。

② 試験ぐいの打ち止め

設計深度上方 1Dw付近に到達以降に、回転貫入機の施工速度を低速にし、標準回転トルク値以上であること、および回転トルクの極端な減少傾向がない場合は設計深度まで貫入して打ち止めとする。設計深度以浅で標準回転トルク値以上の回転トルクが確認できない場合は、標準回転トルク値が確認できるまで貫入して打ち止めとする。

③ 管理トルク値の設定

試験ぐい打ち止め時の回転トルクと標準回転トルク値との平均値を管理トルク値とする。この管理トルク値を用いて、本ぐいの打ち止め管理を行う。

④ その他

設計深度付近で、回転トルクがくい体の短期許容ねじり強さを超えるおそれがある時は、回転トルクが標準回転トルク値以上であることを確認して、打ち止めとする。また、設計深度付近で回転トルクが標準回転トルク値未満であっても、1回転当たりの貫入量が翼部厚さ未満となった場合は、回転貫入を中止し打ち止めとし、あらたに試験ぐいを施工する。ただし、地盤調査結果から、明らかにくい先端が設計支持地盤に達していると判断できる場合に限る。

3)本ぐいの打ち止め管理方法

① 設計深度付近における回転トルクの確認

くい先端が 設計深度上方1Dw付近に到達以降に、回転トルクが管理トルク値以上であることを確認する。

② 本ぐいの打ち止め

試験ぐいと同様な回転トルクの増大傾向を確認しながら、管理トルク値以上の場合は設計深度まで貫入して打ち止めとする。設計深度以浅で管理トルク値以上の回転トルクが確認できない場合は、管理トルク値が確認できるまで貫入して打ち止めとする。

③ その他

設計深度付近で、回転トルクがくい体の短期許容ねじり強さを超えるおそれがある時は、回転トルクが管理トルク値以上であることを確認して、打ち止めとする。また、設計深度付近で回転トルクが管理トルク値未満であっても、1回転当たりの貫入量が翼部厚さ未満となった場合は、回転貫入を中止し打ち止めとする。ただし、地盤調査結果から、明らかにくい先端が設計支持地盤に達していると判断できる場合に限る。

試験ぐいの打ち止め管理方法 軸部径ごとの標準回転トルク

軸部径ごとの標準回転トルク一覧表

 トルク単位(kN・m)
  軸部径(mm)
N値 101.6 114.3 139.8 165.2 190.7 216.3 267.4 318.5 355.6 406.4
5 5.0 5.8 6.8 7.9 8.4 9.5 11.9 14.0 17.5 19.9
6 5.2 6.0 7.1 8.2 8.8 9.9 12.5 14.8 18.5 21.1
7 5.4 6.3 7.3 8.5 9.2 10.4 13.1 15.6 19.5 22.3
8 5.6 6.5 7.6 8.7 9.5 10.8 13.8 16.4 20.5 23.6
9 5.8 6.8 7.8 9.0 10.0 11.3 14.4 17.2 21.5 24.8
10 6.0 7.0 8.0 9.3 10.3 11.7 15.0 18.0 22.5 26.0
11 6.2 7.3 8.4 9.5 10.6 12.2 15.6 18.8 23.5 27.2
12 6.4 7.5 8.6 9.8 11.0 12.6 16.3 19.6 24.5 28.5
13 6.7 7.8 9.0 10.1 11.4 13.1 16.9 20.4 25.5 29.7
14 6.9 8.0 9.2 10.3 11.7 13.5 17.5 21.2 26.5 30.9
15 7.1 8.3 9.4 10.6 12.0 14.0 18.1 22.0 27.5 32.1
16 7.3 8.5 9.7 10.9 12.5 14.4 18.8 22.8 28.5 33.4
17 7.5 8.8 10.0 11.1 12.8 14.9 19.4 23.6 29.5 34.6
18 7.7 9.0 10.2 11.4 13.2 15.3 20.0 24.4 30.5 35.8
19 7.9 9.3 10.5 11.7 13.6 15.8 20.6 25.2 31.5 37.0
20 8.1 9.5 10.7 11.9 13.9 16.2 21.3 26.0 32.5 38.3
21 8.3 9.8 11.0 12.2 14.3 16.7 21.9 26.8 33.5 39.5
22 8.5 10.0 11.3 12.5 14.6 17.1 22.5 27.6 34.5 40.7
23 8.8 10.3 11.5 12.7 15.0 17.6 23.1 28.4 35.5 41.9
24 9.0 10.5 11.8 13.0 15.4 18.0 23.8 29.2 36.5 43.2
25 9.2 10.8 12.0 13.3 15.7 18.5 24.4 30.0 37.5 44.4
26   11.0 12.3 13.5 16.0 18.9 25.0 30.8 38.5 45.6
27   11.3 12.6 13.8 16.5 19.4 25.6 31.6 39.5 44.8
28   11.5 12.8 14.0 16.8 19.8 26.3 32.4 40.5 48.1
29   11.8 13.0 14.3 17.2 20.3 26.9 33.2 41.5 49.3
30   12.0 13.4 14.6 17.6 20.7 27.5 34.0 42.5 50.5
31   12.3 13.6 14.9 17.9 21.2 28.1 34.8 43.5 51.7
32   12.5 13.9 15.1 18.3 21.6 28.8 35.6 44.5 53.0
33   12.8 14.1 15.4 18.7 22.1 29.4 36.4 45.5 54.2
34   13.0 14.4 15.7 19.0 22.5 30.0 37.2 46.5 55.4
35   13.3 14.7 15.9 19.4 23.0 30.6 38.0 47.5 56.6
36     15.0 16.2 19.8 23.4 31.3 38.8 48.5 57.9
37     15.2 16.5 20.1 23.9 31.9 39.6 49.5 59.1
38     15.5 16.7 20.5 24.3 32.5 40.4 50.5 60.3
39     15.7 17.0 20.9 24.8 33.1 41.2 51.5 61.5
40     16.0 17.3 21.2 25.2 33.8 42.0 52.5 62.8
41     16.2 17.5 21.6 25.7 34.4 42.8 53.5 64.0
42     16.5 17.8 22.0 26.1 35.0 43.6 54.5 65.2
43     16.8 18.0 22.3 26.6 35.6 44.4 55.5 66.4
44     17.0 18.3 22.7 27.0 36.3 45.2 56.5 67.7
45     17.3 18.6 23.0 27.5 36.9 46.0 57.5 68.9
46     17.6 18.9 23.4 27.9 37.5 46.8 58.5 70.1
47     17.8 19.1 23.8 28.4 38.1 47.6 59.5 71.3
48     18.1 19.4 24.2 28.8 38.8 48.4 60.5 72.6
49     18.3 19.7 24.5 29.3 39.4 49.2 61.5 73.8
50     18.6 20.0 25.0 29.7 40.0 50.0 62.5 75.0
 
 


 
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